先入先出法・移動平均法を用いた商品有高帳の記入方法

商品有高帳の書き方

商品有高帳とは、お店や会社に残っている商品、つまり在庫状況を記録するための補助簿です。

商品の仕入れ、売上があった時にはその都度、取引日と内容、数量、単価、金額を記入していきます。ですから、商品有高帳を見ることで、「いついつにはいくら在庫があった」とすぐにわかり、管理も楽になるのです。

それでは、以下の取引を例に具体的な記入方法を見ていきましょう。

4月3日 商品20個を@500円で仕入れた。
4月5日 商品5個を@700円で売り上げた。

取引を商品有高帳に記入すると、以下のようになります。

商品有高帳の記入例

日付には取引した日を、摘要欄には取引内容を記入します。

受入欄は、商品を仕入れた時に記入しますが、払出欄は少し違います。

これは絶対覚えておきたいのですが、商品有高帳の払出欄には売上原価を記入しないといけません。つまり、「いくらで売ったか?」を書くのではなく、「いくらの商品を売ったのか?」を記入するわけです。

原価を記入しないと在庫の金額がわからなくなります。商品有高帳には、原価を集計して売上原価を明らかにするという役目もあるため、原価の記入は必須なのです。

上記の例だと、700円で販売した商品でも仕入単価は500円ですから、単価もその金額を記入し、金額も原価に数量をかけた合計を記入します。

「じゃあ、売った時の金額はどこに書くの?」と思うかもしれません。これは売上帳に記載される内容になります。売上の増減を記録する売上帳と在庫管理のための商品有高帳では、役割も記入方法も違うわけです。

残高欄には、払出によって残高がいくらになったかを記入します。

先入先出法と移動平均法を使った記入方法

商品有高帳には売上原価を記入すると説明しましたが、仕入の時期によっては原価が違うことはよくあります。こうした時の記入方法には数種類のやり方があり、3級では先入先出法と移動平均法を学ばないといけません。

各記入方法の説明に、以下の取引を利用します。

4月11日 商品20個を@500円で仕入れた。
4月15日 商品20個を@600円で仕入れた。
4月22日 商品25個を売り上げた。

上記のような時に、「22日に売った商品の原価」を求めるわけです。

先入先出法

先入先出法とは、先に入ったものから順番に払いだされると仮定して、原価を決める方法です。

例のような100円ほどの違いで同じ商品を別々に管理していたら、数百、数千種類の商品の管理はできなくなります。ですから、仕入単価が少し違ってもまとめて管理しておき、払い出されたのは先に仕入れたものと仮定しているのです。

先入先出法を用いた具体的な記入方法は以下のようになります。

先入先出法を用いた商品有高帳の記入例

移動平均法

移動平均法とは、商品を仕入れるたびに直前の残高との平均単価をもとめて、それを後の払出単価にする方法です。

11日に仕入れた20個の商品をそのまま販売したら、払出単価は500円です。しかし、15日に追加で原価の違う同じ商品を仕入れています。

単価の変わる商品を仕入れたときに再計算するのが、移動平均法です。言い換えるなら、仕入がない限り払出単価は変わりません。

ようするに、15日の仕入れの後で、以下のような計算が必要になるわけです。

移動平均法における商品単価の計算方法

この商品がこれ以降払いだされた時は、単価は550円となります。ですから、22日の売り上げ時の払出単価も550円となり、商品有高帳には以下のように記入します。

移動平均法を用いた商品有高帳の記入例

移動平均法は単価の計算が必要ですが、1つの払出単価だけで済むというのが利点です。

また、最終的にできた商品有高帳を見ていただくとわかりますが、先入先出法と移動平均法では残高が変わります。これは、再計算の有無によって払出単価が違うために起こることなので、どちらが正しいというものではありません。

むしろ、同じ取引を違うやり方で記入したのに同じ残高になったら、どちらかが間違っているので注意しましょう。

最後に、商品有高帳は第2問の中では小口現金出納帳と同じくらい重要度・出題頻度が高いです。商品有高帳から売上高や売上原価、総利益をもとめる問題などもあるので、ご自身で記入する練習とあわせて優先的に学習しておきましょう。