直接法・間接法を用いた減価償却費の仕訳

直接法による減価償却費の計上

建物や車両、備品などの固定資産は価値の減少を減価償却費という費用勘定で処理していきます。減価償却費の算出方法はすでに解説済みですが、計算した費用は仕訳しないといけません。

他の取引の仕訳と基本的な考え方は同じものの、減価償却費の仕訳は少し特殊で2つの方法があります。1つは直接法と呼ばれる方法で、もう1つが間接法という方法です。

まず、直接法ですが、これは減価償却費を差し引いた固定資産を貸方に記入し、借方を減価償却費とする仕訳になります。

たとえば、備品10,000円の減価償却費が500円だった時の仕訳は以下です。

  借方     貸方
減価償却費 500 備品 500

減価償却費は費用勘定ですから借方にきます。そして、備品から500円分価値が減少したと考えて、貸方で備品の減少を処理するわけです。

仕訳を見ると備品が500円減少したことがわかるので、残りの9,500円が現在の備品の価値となります。

間接法を用いた仕訳

続いては間接法です。

間接法でも借方の減価償却費という費用勘定は同じになります。違うのは貸方の勘定で、ここには減価償却累計額という評価勘定を使わないといけません。

評価勘定というのはマイナスをあらわす勘定で、3級では減価償却累計額の他に貸倒引当金、引出金があります。

話を戻しますが、間接法では減価償却費という費用に対して直接固定資産を減らしません。評価勘定である減価償却累計額を用いて固定資産の減少をあらわすわけです。

直接法と同じ例を間接法で仕訳すると以下のようになります。

   借方      貸方
減価償却費 500 減価償却累計額 500

間接法では、固定資産勘定に取得原価、減価償却費勘定には減価償却費、そして減価償却累計額勘定に毎年の減価償却費が転記されます。

ようするに、「いくらで買っていくら減価償却してどれだけ価値が残っているか」がわかりやすいのです。そのため、間接法が一般的な方法といえます。

試験でもほぼ間接法が出題されますので、重点的に学ぶのがオススメです。ただし、直接法が出ないとは言いきれないので、一通り学んでおく必要はあります。

最後に減価償却のまとめで、減価償却費の計算から仕訳までをやってみましょう。

例題)決算にあたり、備品(取得原価50,000円、耐用年数5年、残存価額は取得原価の10%)について減価償却費を計上する。なお、定額法により直接法と間接法の2つの方法で仕訳をすること。

まずは、減価償却費を求めないといけません。おさらいですが、公式は(取得原価-残存価額)÷耐用年数です。

備品の減価償却費は『50,000-(50,000×10%)』÷5=9,000円となります。

これを直接法・間接法でそれぞれ仕訳します。

(直接法)
   借方      貸方
減価償却費 9,000 備品 9,000

(間接法)
   借方      貸方
減価償却費 9,000 減価償却累計額 9,000

そこまで難しくはないはずですが、いまいち理解できない方は減価償却費の計算とあわせて基本をまずマスターしてください。減価償却は売上原価貸倒引当金と同じくらい重要な話ですから、多少時間がかかっても避けないようにしましょう。