大陸式決算法を用いた帳簿の締め切り方

大陸式決算法での帳簿の締め切り

英米式決算法を用いた帳簿の締め切りという記事で少しだけ触れた、もう1つの締め切り方法である大陸式決算法について解説します。

大陸式決算法は英米式決算法と比べると一般的ではありません。ですが、知識としては知ってて当たり前というレベルのものですから、試験対策は抜きで基本的な内容だけは理解しておくのが吉です。

3級の試験でも出題される可能性はほとんどないので、肩の力を抜いて息抜きのつもりで見ていきましょう。

まず、収益と費用の締め切りについては英米式決算法も大陸式決算法も同じです。厳密には違いがありますが、知らなくていいレベルなのでここでは省略します。

英米式決算法と大陸式決算法で大きく違うのは、資産・負債・純資産の締め切り方です。

英米式決算法では直接勘定に残高を記入して締め切りましたが、大陸式決算法では残高勘定を作成して残高の振り替えをしないといけません。

たとえば、以下のような勘定があったとします。

現金勘定

勘定の借方と貸方を一致させるためには、貸方に20,000円の記入が必要です。なので、貸方に現金20,000円がくるように以下の仕訳を行います。

  借方     貸方
残高 20,000 現金 20,000

考え方は英米式決算法の収益・費用の締め切りと同じです。現金の増減をあらわしているのではなく、あくまで貸方に不足分を記入するための仕訳をします。

相手勘定科目の残高も、損益勘定と同じような役割をもつ特殊な勘定です。

上記の仕訳を勘定に転記して締め切ると以下のようになります。

残高を転記して締め切った現金勘定

勘定の借方と貸方が一致したら、二重線を引いて締め切る点は同じです。

新しく仕訳をしたことで、残高勘定の借方にも転記が必要になります。実際は現金勘定と同じ要領でその他の勘定や負債・純資産も残高勘定に振り替えられていきますが、ここでは現金勘定のみです。

最終的には残高勘定を締め切ったものが貸借対照表と同じになります。

締め切った残高勘定

勘定には前期繰越などを書く必要はありませんが、期首になったら開始仕訳で前期繰越を勘定に記入しないといけません。これは2級以上で必要な話なので、省略します。

結局のところ、大陸式決算法を用いた資産・負債・純資産の締め切りは、英米式決算法の収益・費用の締め切りで使う損益勘定が残高勘定に変わっただけです。

収益・費用では損益勘定が損益計算書に、資産・負債・純資産では残高勘定が貸借対照表になるので、厳密には大陸式決算法が正しい締め切り方と言えます。

ただ、冒頭でお伝えしたとおり、作業効率の都合上あまり一般的ではないですし、もっと詳しい内容は2級の範囲です。なので、英米式決算法の復習、あるいは単なるオマケ程度にサラっと学んでおくのがいいでしょう。