訂正仕訳のやり方

間違った仕訳を正しく計上し直す

簿記では取引がおこなわれるたびに仕訳をしないといけないので、取引の回数が増えると仕訳の回数も増えてきます。仕訳は人の手によって行われますから、数が増えれば増えるほどミスの可能性は大きくなるものです。

勘定科目名を間違ったり借方と貸方を逆に書いたり1,000円を10,000円にしたりといった間違いは、学習している時から経験するのではないでしょうか。

試験では間違ったら消しゴムで消したりしますが、実務における仕訳で間違いを発見した場合は訂正仕訳というものを行います。ミスした仕訳はさわらずに残しておき、新しく別の仕訳を追加して正しく処理するのが訂正仕訳と覚えておきましょう。

なぜ間違った仕訳なのにさわってはいけないかと言うと、帳簿には会社内のお金の流れをもれなく記録しないといけない決まりがあるからです。訂正したならどの間違いを訂正したかを記録する必要があり、そのためには間違った仕訳の記録も必要になります。

少し考えてみるとわかるのですが、もしもミスを上から修正するのを認めたら、お金をごまかしたり改ざんしたりもできてしまうわけです。

こう言うとなんですが、みんながみんな間違った時だけ手を加えるとは限りません。ですから、本当に間違いだったとしても、直接さわらずに訂正仕訳という形で処理するようになっているのです。

それでは、具体的な訂正仕訳のやり方を見ていきましょう。

訂正仕訳の手順

訂正仕訳をおこなう時はまず、間違った仕訳を取り消す逆仕訳をおこないます。これによってひとまず取引がなかったことになるので、次は正しい仕訳の追加をしないといけません。

新しく仕訳をする時は取引ごとの仕訳をそのまま行えばいいだけです。

正しい仕訳ができたら逆仕訳とあわせます。つまり、「間違いの逆仕訳+正しい仕訳」が訂正仕訳というわけです。

簡単ですから例題で練習してみましょう。

例題)商品10,000円を掛け売りした時、誤って貸借を反対にしていた。

貸借を反対にしたというのは、借方と貸方に書くべき勘定が逆だったという意味です。ようするに、間違って以下のような仕訳をしていたことになります。

  借方     貸方
売上 10,000 売掛金 10,000

上記の誤った仕訳を逆仕訳すると以下のようになります。

  借方     貸方
売掛金 10,000 売上 10,000

これはまさに正しい仕訳の形ですが、あくまで間違った仕訳の逆仕訳ですから、もう1度正しい仕訳を行わないといけません。

  借方     貸方
売掛金 10,000 売上 10,000

そして、逆仕訳と正しい仕訳を合わせていきます。今は借方と貸方の勘定がどちらも同じなので、1つにまとめることも可能です。

  借方     貸方
売掛金 20,000 売上 20,000

上記が訂正仕訳の答えになります。正しい仕訳のみ、逆仕訳のみではない点に注意しておきましょう。

訂正仕訳は慣れれば難しくありませんが、例題のような貸借の反対以外にも金額や科目名の違いなど色々なパターンがあります。本試験でも主に第4問で出題される可能性があるので、色々な問題を解いておくのがオススメです。