勘定への転記方法と転記の原則

転記のやり方

取引発生後の仕訳が終わったら、今度は各勘定へ内容を書き写す作業を行います。これを簿記では転記といいます。たとえば、4月1日に行われた取引の仕訳が以下のようにあったとします。

4月1日に行われた取引の仕訳

これを各勘定へ転記すると以下のようになります。

4月1日の仕訳の転記

書き写すという言葉通り、借方に記入したものは借方へ、貸方へ記入したものは貸方へ書くだけです。特に難しく考える必要はありませんが、転記にはもう少し細かいルールがあります。

転記の原則

①日付の記入
説明するまでもないですが、上図のとおり、取引のあった日付を記入します。

②相手勘定科目の記入
金額の前に相手勘定科目を記入しないといけません。相手勘定科目というのは、借方と貸方それぞれの反対にある勘定科目です。

2つの勘定科目がそれぞれセットになっていると考えて、対応する相手勘定科目を記入します。たとえば、先ほどの仕訳では現金勘定には商品を記入し、商品勘定には現金を記入するわけです。

相手勘定科目の記入

③仕訳が複数ある場合は諸口とする
相手勘定が2つ以上ある場合は、相手勘定科目を全部書くのではなく諸口として1つにまとめます。諸口というのは相手勘定科目が複数あることを意味している言葉です。

たとえば、以下のような仕訳があったとします。

相手勘定科目が2つある仕訳の例

相手勘定科目が複数ある現金勘定には、諸口を使って仕訳を転記します。

諸口を使った転記

なぜ1つにまとめてもいいかというと、相手勘定科目は忘れないためのメモ的な役割だからです。相手勘定を記入することで勘定科目の増減理由がハッキリしますが、金額と比べると重要度は低くなります。

勘定記入での重要度は「金額>>相手勘定」なので、複数の理由で増減したということだけわかればいいわけです。日付も記入しないといけませんが、これもあくまで忘れないための記録になります。

転記について覚えておきたいのは以上ですが、注意したいのは各勘定に記入するのは相手勘定という点です。仕訳を書き写す流れでそのまま現金勘定に現金と書いたりしないように注意しておきましょう。

なお、簿記の流れとしては、取引→仕訳→転記となりますが、仕訳や勘定記入の理解が不十分の場合は転記から学んだほうが理解しやすいかもしれません。逆に勘定の記入ルールと仕訳のやり方が理解できていれば、転記はかなり簡単になります。

どちらを先に学ぶにしても学習の順番に正解も不正解もありませんから、ご自身のやりやすいようにすすめてみてください。