簿記の基本的な流れと簿記上の取引の定義

簿記の基本的な流れ

簿記の目的という記事でもお伝えしましたが、簿記は最終的に貸借対照表と損益計算書を作成するために存在するものです。

2つの表には会社の利益やかかった費用などが記載されるので、物が売れたり従業員に給料を支払うなどしてお金の流れがあった時に簿記が必要とされます。

貸借対照表と損益計算書作成までの流れを簡単にまとめると、以下のようになります。

①取引の発生
②仕訳
③勘定に転記
④試算表の作成
⑤貸借対照表と損益計算書の作成

勘定や試算表の意味がわからない方も、ひとまずこうした流れの上で貸借対象表と損益計算書の作成までいくと覚えておきましょう。

大切なのは、何はともあれ取引が発生しないことには仕訳も勘定も必要ない点です。

取引というとお金と物の交換や何かの契約をイメージするかもしれませんが、簿記における取引は一般の取引の定義とは違います。

簿記の学習を始めるにあたってまずは簿記上の取引の定義を覚えるのが大切です。

簿記上の取引とは?

簿記における取引とは、「資産、負債、純資産、収益、費用に変動を与える行動や事柄のこと」です。単純な例では会社で利用する備品を現金で買ったりするのが取引になります。現金という資産が減る代わりに備品と言う資産が増えたので、取引に該当するのがすぐわかりますよね。

逆に「アパートの賃貸借契約」は一般的には取引と呼ばれるものですが、契約をしても資産や負債などの上記項目に動きはないため、簿記では取引として扱いません。

少し難しい例で言うと、「火事で建物が燃えた」という場合も簿記においては取引となります。普通は家が燃えたことを取引とは言わないですが、建物という資産が減ったことを考えると取引にあたるわけです。

他にも商品を万引きされたりしても、取引になります。

ものすごく違和感があるかもしれませんが、簿記上の取引を考える時は「資産、負債、純資産、収益、費用のいずれかに動きがあったか?」を意識しないといけません。

ただ、「これは取引になる?ならない?」と色々なケースを必死になって覚えたりしなくても大丈夫です。

取引があった前提で仕訳を解く問題ばかりですから、最初は意味がわからなくても仕訳をやっていくうちに無意識に取引かどうかの判断はできるようになります。

取引かどうかを学ぶのが大切なのではなく、取引の定義を決める「資産、負債、純資産、収益、費用の項目のどれが増減したか」を考えるのが大切なのです。

そして、「資産、負債、純資産、収益、費用」のグループのことを勘定といいます。簿記上の取引に該当するかどうかは、勘定の種類に変化があったかで判断するわけです。

仕訳や表作成の時にもどの勘定が動いたかを理解するのは重要ですから、慣れないうちは「何が増えた?減った?」という点を意識的に考えるようにしましょう。