売掛金元帳・買掛金元帳の書き方

人名勘定の短所

売掛金勘定や買掛金勘定では掛代金の増減はわかりますが、取引相手やそれぞれの残高はわかりません。売掛金・買掛金勘定を使わずに人名勘定を用いれば取引先の残高を明らかにすることは可能ですが、人名勘定に頼ると面倒も多いです。

取引先ごとに人名勘定で仕訳・転記をしていると、売掛金・買掛金勘定を使った時と比べて勘定科目数がとんでもない数になってしまいます。

取引相手の数によって変わるので一概には言えませんが、仕入先や得意先が数百社もあるような場合は人名勘定での処理は現実的ではないです。試算表も作成しないといけないのに、人名勘定を使っていては集計も手間になります。

そうした理由から、ある程度の規模の会社では人名勘定を使わないのが一般的です。

そこで、人名勘定を使わずとも取引相手ごとの掛代金を明らかにできる売掛金元帳と買掛金元帳を使用します。仕訳では売掛金・買掛金勘定を用いて勘定科目を減らし、売掛金元帳と買掛金元帳で人名勘定を使えば取引先ごとの残高もわかるわけです。

売掛金元帳とは、得意先それぞれの売掛金の残高を記録する補助簿です。得意先元帳という言い方もしますが、意味はどちらも変わりません。

一方、買掛金元帳とは、仕入先それぞれの買掛金の残高を記録する補助簿です。別名は、仕入先元帳と言います。

それぞれの記入方法について、順番に見ていきましょう。

売掛金元帳・買掛金元帳の記入方法

以下の取引を例に、まずは売掛金元帳の記入例を紹介します。

4月3日 A商店に商品10,000円を売り上げて、代金は掛けとした。
4月9日 A商店に対する売掛金6,000円を現金で受け取った。

売掛金元帳は得意先ごとに1つ用意します。つまり、ここではA商店に対する売掛金の増減を記録する専用の売掛金元帳を用意するわけです。これが人名勘定の代わりとして使える理由でもあります。

売掛金元帳(得意先元帳)の記入例

摘要欄には取引の内容を記録します。

売掛金の増減があった時、増加したなら借方欄へ、減少したなら貸方欄へ記入し、両方同時には記入しません。

借/貸欄には、残高が借方か貸方を記入します。売掛金が残っていれば借、マイナスの場合は貸と記入しますが、通常は売掛金の残高がマイナスにはならないので、常に借だと思ってもいいでしょう。

続いては、買掛金元帳の記入方法です。以下の取引を記入してみます。

4月12日 B商店から商品10,000円を仕入れて、代金は掛けとした。
4月22日 B商店への買掛金6,000円を現金で支払った。

形式や記入方法は売掛金元帳と同じです。

買掛金元帳(仕入先元帳)の記入例

買掛金元帳の場合は、増加を貸方欄に、減少を借方欄に記入します。

借/貸欄の記入は売掛金元帳とは逆に考えないといけません。つまり、買掛金が残っていれば貸、買掛金がマイナスなら借となります。

とはいえ、売掛金と同じく、買掛金もマイナス状態はありえないので、常に貸と考えても間違いではありません。

売掛金元帳も買掛金元帳も、記入方法自体はそこまで難しくないですから、仕訳・転記・帳簿への記入まで丁寧にやれば大丈夫なはずです。

ただ、問題によってはいくつもの取引先がでてきて、勘定の時点でどれがどの取引先のものか混乱する可能性はあります。そうしたパターンでは、売掛金勘定や買掛金勘定に人名勘定のような感じで、取引先のメモをするのも一つの手です。

人名勘定を使うなら本末転倒になりますが、あくまで問題に取り組むときのテクニックなので、実際に過去問を解く時にやりやすい方法を見つけてみてください。

その点だけ大丈夫なら他は特に難しくありません。